The first day〜BEGINING〜
縁公園
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem sempiternam.
(この世の罪を取り除く神の小羊よ
彼らに安息をお与えください
この世の罪を取り除く神の小羊よ
彼らに安息をお与えください
この世の罪を取り除く神の小羊よ
彼らに永久の安息をお与えください )

「ふー」
パチパチパチ
「・・・・・・・・・・・っ?」
聞かれた?
「・・・・・稟さま。」
「よう、ネリネ。また、聞かせてもらったな。」
顔が赤くなるのを感じた。それは夕日のせいだけではないことを実感していた。
いつも、いつも考えていた。この人を。


the second day〜In the FALL ,when the summer end〜

「えーと、今日は何を作ろう?」
そう言って、今日も私は稟さまのために習いたての料理を作ろうと、この木漏れ日通りを歩く。
(うふふ。お父様にも教わってちょっとは上達したし)
秋の日差しの中、街中にはめずらしいほど大輪の彼岸花が咲き誇り日に照らされてきらきらとまぶしそうに輝いている。
・・とそこには私の一番愛しい人の後姿が目に飛び込んできた
「・・・!稟さ・・・」
となりに良く見慣れた綺麗な茶色い髪の女の子とともに。
その髪は秋の夕日に照らされていっそう輝いて見えた。
「・・・」
思わず、そばにあった店に隠れてしまう。
「いらっしゃい。今日は大根が安いよ。綺麗なお嬢ちゃん」
元気な八百屋のおじさんの調子のいい声に取り敢えずの平静を取り戻した私は
「え?ええ、じゃあ一本。」

「ん?今ネリネの声が?」
「そう?私には聞こえなかったけど。・・・それにしても、」
「ん?なんだ?」
「くふふー稟くんてほんと・・・・・・・」
「・・・・っ!うるさ〜い!!」
「アハハ さぁてと私のお買い物も済んだし。アレ買いにいこっか?」
「ああ、そうだな」

・・・はぁ。
必要の無い大根を握り締めて私は帰り路を急ぐ。八百屋をでて商店街を彷徨っていると、急に雨が降り出した。
天気予報は晴れだったから当然傘などもって来てない。

「2人は何を話していたのだろう?」

夏が終わり、木々の枯れ往くこの時期の時雨は、夏の夕立とは違って彼女の肌に刺さった。
赤い日はもう低くなり青い夜の帳が町を包み込もうとしている。
湿気を含んだ長く重い髪はいつにも増して鬱陶しく、白かった彼女の肌は軽い青色に変わっていた。

10月8日の日記
今日は・・シアちゃんと歩く稟様を見た・・・何を話していたのだろう?
仲・・・よさそうだったな。
どうして逃げてしまったんだろう?いつものことのはずなのに・・・
いつも・・・いつもそう。私は物事がはっきりいえない。
だから、・・・わたしはシアちゃんに・・親友に嫉妬しているの?



the third day〜a COMMON day in school, THREE princesses in the ONE room〜

はぅー。今日は調理実習か。・・・・・・私だってお父様に教えてもらって少しはできるようになったんですけど
・・・よりによってシアちゃんと楓ちゃんが同じ班だなんて・・・・あれ?エプロン入れたのこの袋だっけ?ん?あれ?
「えええ――?」
なんと中からでてきたのはレースづくしのひらひらしたエプロンドレスだった。
「・・・ぁぅ。お父様!」
・・・・・・・・・・・・・・・・

トントントン
「・・・・・・・・・・ん?」
・・・・・・・・・・・・・・・・トントントントン(シアちゃんって・・・かわいいですよね)
「・・・・・・・・・・(見られる?にしてもかわいい服だなぁ)」
・・・・・・・・・・・・・・・・カチッ・カチッ、ボッ(きれいな髪。整った笑顔。)
「・・・・・・・・・・(ぁ、あはは)」
・・・・・・・・・・・・・・・・シュッ、シュッ(シアちゃんの唇。稟様の唇に触れたことが・・・・・・)
「あ、あのー、リンちゃん?お湯がわいて・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シュシュシュ(子供の頃の綺麗な思い出・・・なの?)
じゅ、じゅ、しゅぁ〜〜〜
「リ・ン・ちゃん??」
「え?あ?・・・・」
しゅぅ〜〜
「きゃ!?」
パスタをゆでていた鍋から、突然、お湯が吹きこぼれあたりに湯気が広まった。
カチッ
「はぁ、あぶなかったですね」
「カエちゃんナイスフォロー」
楓はいち早くコンロをとめ、ガス漏れを防いでリシアンサスはガッツポーズをとって場を和ませた。
「あ、あのごめんなさい」
「はい、大丈夫です。それよりリンちゃんは?大丈夫でしたか」
「顔が赤いよ?風邪?」
「いえ、・・・考え事を。ダメですね。ろくに料理の出来ないのに・・・」
「ドンマイ、ドンマイ。だれだってねー?よくあるよ。ねっカエちゃん」
「そうですよ。料理はコツさえつかめば。私もそうでしたし」



the fourth day〜at the CAFE 〜
カランカラン
「ん?あ、ほらカレハ。みて。あれって」
「どうしたんですか?亜沙ちゃん?あ、まままぁ、ネリネちゃん?」

今日はお父様とお母様にケーキを買っていこう。
私はふと、そう思った。最近、この商店街で『pheul-lo-ra』と言う喫茶店のケーキが有名らしい。
それを聞いてから、一度は行ってみようと思っていた。

「亜沙先輩?それにカレハ先輩。」
そこには二人の知り合いがいた。
「こんにちは」
「こんにちは、今日はお買い物?それとも食べていく?」
「えーと、買って帰ろうかと思ったんですけど、せっかくだからいただいていこうかな?」
それもわるくない。
「じゃぁ、こっちの席でいいかな?注文はあとでいくから。」
「はい、またあとで」

「んーと、何がいいかな?」
そこへ急に
「いまはこれが人気ですよ。」
そう言ってカレハは飾り気のない、けれども綺麗なオレンジミルクレープを指していった。
「カレハ先輩が薦めてくれるなら、そうします。」
「あ、それね。シアちゃんも同じのたのんでたよね。」
・・・・・・・・シアちゃん
「甘さ控えめだから、男の子にも人気高いし、」
「まままぁ、それで男の方と・・・まままぁ」
「・・・・・・・・・」
「んー、やるわね。・・・・・・ぁ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・。え、えとー、あ、そうそう。お土産何がいいかな?」
「ひゃぇ?」
あ、また私考えて・・・・・
「あ、はい。え、えーとぉ、あの。ぁ、じゃあこのイチゴのミルフィーユを」
「あ、ごめん。それいま品切れで・・・」
「・・・あう、そうですか」


the fifth day〜CLOSING mind, she thinks that she is no more his one for love〜
それは昼休みのこと
「はい、稟くん。タコさんウインナー。あーん」
「ぶっ・・・・」
「稟、おまえ、天まで届くアッパー食らってみたくない?」
「ごめんこうむる」
「はいはい。緑葉君じゃ勝ち目無いんだから、妬かないの。しっかしまぁ、シアちゃんもよくやるわね、楓。」
「・・・・・・・・・」
「(地雷踏んだ?)・・・あ、あはは、ね、リンちゃん」
「・・・・・・・・・・」
「(こっちもですか?)」
「あ?え、ええ。」
真弓ちゃん、こまり顔してる?しまった、聞いてなかった。

思い出しながらまた帰り道を急ぐ。
気付けば、またここに来てしまう。
縁公園
稟さまと初めてであったところ
今日も、またうたううた
かなしいうた
Requiem aeternam dona eis, Domine,
et lux perpetua luceat eis.
Te decet hymnus, Deus, in Sion,
(主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。
神よ、シオンではあなたに賛歌が捧げられ、)

10月11日の日記
明後日は私の誕生日。樹君や真弓ちゃんは何か用意してくださるとかいう話をしていた
(何で誕生日知っているんでしょう?お父様にいたっては明日は三界すべてで祝日だとかおっしゃってますし
・・・ふぅー。あの性格は何とかならないのでしょうか?・・・・・それにしてもシアちゃんと稟様は・・・忘れてしまっているのでしょうか。)

・・・・・・・・、お父様。。。シアちゃん。。稟様。。リコリス。。わたしどうしたらいいの?

the sixth day〜the END of the world for her〜
のどの調子が悪いなぁ。
「んんー、けほっ、けほっ、」
「あーー、あーー」
・・・・・・・37.5℃
風邪ひいたかな?
昨日は寒かったし、それにあんなに歌って・・・
・・・・・・・・・ううん。稟様のことが気になって寝られなかったせいかもしれない。
・・・・・・・・・・・稟さま

・・・
・・・・・・
もう夕方か。もう何もする気になれないな。家からも出なかったし。
・・・・・・・・
熱は下がったし、あさってからは学校に行けますね。
稟さまにも会えますし・・・・シアちゃんにも・・・・・・


the last day of a"long"week〜the PARTY will be took place for THEIR bless〜
重い。
苦しい。
全身が押しつぶされそうだった。今までに味わったことの無いほどの重圧がかかる。
「はぁ、はぁ、く・・くるし」
くらい、岩だらけの洞窟。入り口は果てしなく遠い。
そこへ一人の少女が現れた。
「歌わないの?」

「え?」
・・・・・・・・・歌えない。だってあの子は
「歌うのはイヤ?わたしのせい?あなたのせい?」
歌えない。歌えない。歌えない。
「わたしはあなただもの。だからわたしのために好きなことを抑える必要もないの」

歌が好きなの?わたしのために歌わないの?いいんだよ。その力はわたしから奪ったもの
じゃない。もともとあなたの力なの。そしてあの人も」

「だからね、もう好きなことから、好きでいることから逃げないでいいんだよ」
Pi Pi Pi Pi Pi
けたたましく目覚ましの音が広い部屋に木霊して響き渡り、その音にネリネは目を覚ました。
「・・・・んっ はぁ」
ネリネは毛布にくるまったまま、起きようとはしなかった。起きる気にはならなかった。まるで誰かにそうさせられているかのように。
・・
・・・・
・・・・・・・
なんとなく、起きる気になれないな。日曜ですから学校の心配は無いんですけど。
なんか、変な気持ち。。何の夢を見ていたんだろう?どうしても思い出せないな。なにか忘れてはならない気がする。
どうして忘れちゃったんだろう?ダメなのに、ダメなのに。
「ネリネちゃーん。ごはんだよー。朝ごはんだよー。」
・・・・お父様・・・・・あさから元気ですね・・・

はぁ。ぽーっと物思いにふける。ふと昨日の光景がまぶたに映る。
「やっぱりあの二人・・・でも、稟さまの選んだ人だし。何よりシアちゃんなら。・・・・・・・でもシアちゃんか。・・・よかった・・よね。」
笑顔を作ってみる。
「えへへっ」
・・・・・・・・・・・ぎこちない
「シアちゃん。昔から思っていた。綺麗で明るくて、素敵で、可愛くて。まるでトルコギキョウの花のように。
・・・・・・・・・私よりも、稟さまと、・・ずっと。そう、リコリスもきっと私を許してはくれない」

Kyrie eleison.
Christe eleison.
Kyrie eleison.
主よ、あわれみたまえ。
キリストよ、あわれみたまえ。
主よ、あわれみたまえ。

ガチャ
「悲しい、歌だね」
パチパチパチ。そこには・・・・・・・・・
「お父様!?」
魔王がいた。
「ネリネちゃん。すまないね。勝手に上がらせてもらったよ。あの子への歌かい?」
・・・・・・・・・・・あの子への・・・違う、私はこの気持ちをごまかしたいだけ。あの子のせいにして?
「いえ、入る時はノックぐらいお願いしますね。」
また、誤魔化した。
「すまない、でも、下に降りてきてごらん」
「ごめんなさい。今はまだ体調が・・・・・・・・・」
「いつまでも、そんなこと言うもんじゃないよ。稟君も、楓ちゃんも、シアちゃんも、みんな来てくれている。」
・・・・・・・・・・・・・そう。稟さま、シアちゃんと一緒に
「わかりました。今着替えます」

「・・・・・・・・がんばるんだよ。ネリネちゃん。・・子離れ、親離れの時かな?なぁ。ユーストマ?」
「・・・・・・・そうだな。」

パーンッ
「きゃっ?」
「リーンちゃーん、お誕生日おめでとー。」
「あ、亜沙先輩?それにみんな・・・」
「リンちゃん」
彼女はにっこり微笑んだ。私のぎこちない笑いとは違って
・・・・・・・・・・
「・・・・シアちゃん」
なんといっていいかわからなかった。
ふと、リシアンサスの体温が近くなる
「え?」
「お庭で、稟くんが待ってるよ」

「ネリネ」
そこにはシアちゃんの言うとおり稟さまがいた。
「あ、稟さま・・」
私は、・・・・決めた。この人の笑顔のために、親友の笑顔のために、言わなくてはならない


「シアちゃんのこと、大切にしてあげて下さいね」
「え?あ、あぁ」
「私は、大丈夫です」
「シアは・・・・・・大切にする。でも・・・・」
「でも・・・・・・大切な親友だ。」
「え?」
訳がわからない・・・・
「シアには、この一週間、迷惑をかけた。シアは、彼女は教えてくれたよ。ネリネのこと、プリムラのこと、リコリスのこと。」
「楓も、シアも、・・・こんなこと言うのは気が引けるけど、俺を好きでいてくれる。
きっと、あの二人に気が向かないことを知っていても」
「俺は、ネリネが好きだ。公園ではじめて出逢った、歌をうたうネリネという女の子が。」
「リコリスには悪いけど、子供の頃のことは思い出せない。」
「でも、最近であったネリネという人なら、いつでも頭に思い描くことが出来る。」
「だから、リコリスのこと今は忘れて俺を思ってもらいたい。目の前の女の子に」
・・・・・・・・・・・・・訳がわからない
でも、この涙は
このわきあがる感情は
抑えきれなかった
「稟さま・・・・・・」
大きな腕が、私を包む。
「ネリネ・・・・・・」
「もうしばらく、もうしばらくこのままでいさせて下さい。」
稟さまが私の唇を塞ぐ
「んっ・・・」
わきあがる感情を、この一週間を、さまざまな想い達を押さえ込むように

ONE MORE THE FIRST DAY of princess's legend
「ん?今ネリネの声が?」
「そう?私には聞こえなかったけど。・・・それにしても、」
「ん?なんだ?」
「くふふー稟くんてほんとリンちゃんのこと好きだよねーなんか妬けちゃうなー」
「・・・・っ!うるさ〜い!!」
「さぁてと私のお買い物も済んだし。アレ買いにいこっか?」
「ああ、そうだな」
「リンちゃん喜んでくれるといいね。パーティー。」
「なんてったって、企画、準備全部稟くんが考えたんだもんね」
「・・・・・・・・・・」
「あぁ!?怒んないでよー。いくらリンちゃんが好きだからって、わたしとは結婚しないわけじゃないんだからねー?三人で神界に住もうねー」
「・・・・・・・・・・」
「だから待ってよー」

the day after all with her beautiful flower
〜the most beautiful PRINCESS with her prince. I love him, I hope he loves ME〜
今日も私は稟さまと、最愛の人とこの木漏れ日通りを歩く。
「花屋?」
「ええ、寄ってもいいですか」
「ああ、もちろん。」

いらっしゃいませー
「ええと、ダイアモンドリリーとトルコギキョウの花はありますか?」
はい、少々お待ちください

「お帰り、何かってきたんだ?」
「はい、ダイアモンドリリーとトルコギキョウを」
「綺麗な花だな」
「トルコギキョウは、別名リシアンサスって言うんです。そしてダイアモンドリリーはネリネって言うんです」
「そんな花があったのか」
「ええ、リシアンサスは、私が育てます。いつまでもシアちゃんが見ていてくれるように。かってな都合なんですけどね。」
「じゃぁ」
「はい、差し上げます」

―いつまでも、私と一緒にいて下さいね―



おまけ(王女様は女の子がお好き?)
「・・・・・・・・・・ん?」
・・・・・・・・・・・・・・・・トントントントン(シアちゃんってかわいいなぁ)
「・・・・・・・・・・(見られる?)
・・・・・・・・・・・・・・・・カチッ・ボッ(きれいな髪。整った笑顔。)
「・・・・・・・・・・(ぁ、ぁはは)」
・・・・・・・・・・・・・・・・シュ、シュ(シアちゃんの唇。稟様の唇は触れたことが・・・・・・)
「あ、あのー、リンちゃん?お湯がわいて・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピー(私、稟様に嫉妬しているの?)
シアちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かゎぃぃ(*´д`*)



〜著者のコメント〜
夏の物語にしたかったんですが、中核のネリネ誕生日が10月だったので。
リシアンサスはネリネと稟を応援しますw
リシアンサスは軽口たたきつつ、でも2人の気持ちはきちんと理解してます。がライバル意識からか多少イジワル?
ネリネの性格が暗い!!といった質問には一切答えませんwwあくまで私の脳内ネリネさんという事で納得しなさいwww

著者 みずか(敬称略)
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