この想い
この気持ち いつからだろう
このこころ いつまで続くのだろう
そう 気付かずにいた
あなたが わからないから
私にはあなたがわからないから
だから しまっておいた
この想い
今日もあなたを見つめてる
昨日もそうしていたように
あなたが誰の元へ行こうとも


ほんとの気持ち
やっと やっと気付いた
ほんとの気持ち でも
これはほんとの気持ち?
わたしが わからない
私には私がわからない
だから ためしてみる
この願い
今日もあなたを見つめたい
明日もそうしたい
私の気持ちが移ろいでも


ザーーーー
そう、季節は梅雨。この時期は、今日もこの国では大量の雨が降るのだ。
「はぁぁぁ」
六時間目の授業が終わると同時にクラスからため息が漏れた。
それは安堵と、ある種の絶望を象徴していた。降りしきる雨とともに。
「今回のテストは範囲も広いが、今学期の成績ひいては夏休みの日数にも影響するからな。
しっかり勉強して来るんだぞ。私もさすがに夏休みは多くほしいからな。」
紅女史のこの発言は、クラスの生徒達の耳にリフレインした。
<まぁ、安心しろ。補習なんて事態になっても、私が面倒を見てやる。本当は夏休みもほしいんだが、お前らのために時間外までみっちり教えてやる>
この最後の一言〜それはほとんど脅し文句だった〜とともに。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
それは彼女〜人間と悪魔のハーフ麻弓にとっても例外ではなかった
。 この言葉に、毎度のことながらクラス全生徒は、過剰な反応〜本人達にとって見れば、決して過剰じゃない、をした
「テストですかぁ・・・大変ですね。うーん、じゃぁ準備をしてをかないと。お父様には知られないように・・・・・・・」
「ふん、俺様の頭脳はいまさらテストするまでもないがな。」
「稟君・・・・大丈夫かなぁ?」
若干の例外〜学年トップ組の面々をのぞいては・・・・・

ザァァァァ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
六時間目が終りHRが終わっても当然雨は降り止むことはなかった。
今日は、梅雨の中でも今日だけは晴れると、朝の空を見て誰もが確信していた。
「まったくこのタイミングで雨とは」
樹がぼやく。仕方がない。それは、クラスの大半の人間が共有する思いだった。
「まぁ、仕方ないだろ。おれも楓に感謝だな」
彼〜土見稟は余裕だった。
「いいねぇ、稟は。楓ちゃんがいて」
微妙に癪にさわる意見ではあったが、実際にそのとおりだった。
朝に別に晴れているからと言う稟を押し切って、楓が持たせて暮れは傘が稟のかばんには入っていた。
そう、楓のおかげで稟は傘をもって来ていた。確かに稟は濡れずにすむのだろう。
稟だけは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「まぁ、しょうがないだろ。誰かの傘に入れてもらうんだな。」
少しうなだれる樹に稟は話しかける。すこし、可哀想にも思えた。
「そうだな。さてと、美少女は・・・・・」
うわっ、やっぱりこいつ最低だ!
稟が心の中で再確認したのと同時に
「まてっ、稟が傘をもって・・・・・ということは、・・・楓ちゃんは・・・・・そうか。そういうことか。」
何か確信するように、そう、不穏な空気を醸しながら、樹はつぶやいた。
「は?」
稟が反応するよりもすばやく、彼は行動に移っていた。
「かーえーでちゃーん。俺さ、傘忘れちゃって。よかったら入れてくれないかな?」
こういうときの彼は非常にすばやい。
「え、あ、・・あの。ごめんなさい」
そこへ麻弓がやって来た。もちろん傘はしっかり持っている
「あら、緑場君。又フラれたみたいね」
「ひょっとしてもう先約が?」
とりあえず、認めたくなかったのか、視界に入らなかったのか、麻弓の放った言葉はきれいにスルーされた。
「いえ、・・・あの・・・そういうわけじゃなくって」
楓は恥ずかしそうに・・・・
「どうしたのよ?楓?具合でも悪いの?」
「え、いえ、そういうわけでも・・・・・」
「ホントにどうしたんだ?」
「あの・・・・・実は・・・・」
一同が覗き込む。楓は真っ赤になって
「だから・・・その・・・、」
「傘を・・・わ・・忘れてしまいました・・・・」
へたりとなる楓。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・は?」


「え、いや、だって土見君・・・・あ、」
「そうだよ、だってり・・・あぁ、楓ちゃんらしいね」
「まさか、楓・・・・・」
一同は納得した。
「ははぁ、土見君の傘のことに夢中で、自分のは忘れちゃったと。」
「らしいといえばらしいね。いや、でもそういうところが・・・」
「あの、あの、・・・・・・ごめんなさい。私のせいで、私のせいで・・・・」
半泣きだった。
おまけに錯乱しかかっているようで、何を言ってるのかよくわからない。
雨足はさらに強まり、音が聞き取りにくくなる。雨粒は校舎に当たってはくだけ、すべての音を掻き消す。
もう、これ以上ここにいれば、傘を持っていても〜ましてや二人はいれば、帰るのは困難になるだろう。


シャレにならんな
「・・・・・少しまっててくれないか?楓。」
「え、」
「すぐに帰る支度をするから。一緒に帰ろう」
また、真っ赤になる楓。
「え、え、でも、・・・でも迷惑じゃ?」
「そもそも傘を持っていこうとしたのは楓なわけだし。それに、迷惑なんて・・・」
「いいの?」
「だから、まっててな。」
「うんっ」
楓は心から嬉しそうだった。
「じゃあ、まってるね。」

・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「行っちゃったわね。」
取り残された二人
「ああ、行っちゃったな。」
「なんていうかね。」
「なんていうかな。」
二人だけの世界に、行ってしまった稟と楓を止めるすべを二人は持たなかった。ただただ呆然と帰り支度をする二人を見つめるばかり。

「で、あんたも傘がないの?まったく、この時期なんだから傘くらいおいておきなさいよ。もう。」
呆れ顔で言う麻弓。それをよそに
「ぁぁぁぁぁぁぁ、気付けばクラスが男子だけにーーー」
「はぁ、人の話しくらい聴きなさいよ。しょうがないわね、入っていく」
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
じーーーーーーー
「なによ?どうすんのよ」
「・・・・・・・・うーん顔はそこそこだが、もう少し育って・・・・」
は?そだって・・・・
樹の視線を追ってみる。
下に
下に
下・・・・・
下ぁ!?
「やっぱ、相々傘といったら腕くみ、そして・・・・」
「胸は関係ないでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」




キーンコーンカーンコーン
今日も終業の鐘がなる。
それは天使の鐘
彼女達ににとっては。
「はふぅ〜〜」
四時間目〜英語の授業が終わって、麻弓とリシアンサスはため息をついた。
「麻弓ちゃん・・大げさ・・。」
楓が、たしなめる様に語りかける。
「しょうがないわよ。英語よ、英語。ねーシアちゃん。」
「うん。ほんとにねー。英語。。」
が、二人はまったく意味不明な反論で、楓の意見を退けた。それをみていたネリネは呆れ笑いをしている。
「はっはっは。苦戦しているようだね」
樹が現れた。
「こんな僕でよければ、いつでも英語くらい教えてあげるよ。手取り、足取り、・・」
「あ、あははは。」
「はぁ、まったく。あんたって人はもう。」
リシアンサスに手を差し伸べる樹。その手を麻弓が振り払う。
「はーっはっお前ももう少し胸があれば相手してやるぞ。」

・・・
・・・・・
カーッと赤くなる麻弓。
コロス。絶対コロス

「ほら、さっさと屋上行こうぜ。みんな待ちくだびれてるぞ。」
稟がたしなめる。
「だって、緑葉君がぁ、、」
「ほら、いいから。」
麻弓の手を引く稟。
「あーーん」
泣きそうな麻弓。面白くなさそうについていく樹。

そして、置き去りにされた3人の姫
「・・えーと、私達も急ごうか?」
リシアンサスが呆然とする二人に話しかける。
「え、ええ。そうしましょうか」
「・・・・稟君・・・・」


昼を過ぎた頃からだろうか?気がつけば外では雨が降っていた。
この日の予報は降水確率75パーセントであり、当然みな傘を持ってきていた。
一部例外を除いては。

ザーザー
「まいったなー雨降ってるよ。」
そう、梅雨のこの時期は、今日もこの国では大量の雨が降るのだ。不幸にも麻弓は傘という人類至高の発明品を所持していなかったのだ。
「掃除とかしてて遅くなったし、英語の先生には呼び止められるしー」
はぁ、こんなとこ彼に見られたら・・・
「おい」
「ひぅ?」
「おう」
そこには急に声をかけてとっさに叫ばれたため、びっくりした樹が〜そう、麻弓が一番見られたくない男が〜そこにはいた。
「みーどーりーばーくーん」
「なんだ?どうした?麻弓」
麻弓は半泣きしそうだった。樹はじっくり彼女を見て
「ん?・・・・・・・・・・・・・・・麻弓さん?いやまさか?ねー」
こっちは半笑いだった。
「あ、そうそう。俺はもう帰るけど、麻弓さん。ご予定は?」
「無いわよ。」
精一杯強がってみる。
「それでは姫、一緒に帰りませんか?ほら、早く傘をご用意ください」
くっくっくっ
どうやら樹はこみ上げる笑いをこらえきれないようだ。
「あのね、傘。忘れちゃったの。入れてくれる?あなたと、一緒に、」
必殺、色仕掛け。
ってやってるこっちが恥ずかしいわっ。そう思ったが・・・・・
「・・・・・・・・・」
樹は固まっていた
。 (何よ、逆効果?・・・・入れてほしかった。・・・でも、でも。やっぱりダメなのかな?)
・・・・なんかいつまでも黙ってられると・・・・悲しくなってくる。慣れたと思ったんだけどな。
彼のこの態度。何時からだろう?こういう風に緑葉君を見てたのは?
「ほら、いいわよ。早く行きなさいよ。」
精一杯、さっきとは違った、本気の強がりを見せた。そうしないと、強気でいないとあたしが壊れてしまうから。
「ほら、早く行くぞ。」
え?え?一緒に入るの。

ザァァァァァァァァァ
「雨、強いね。」
ああ。」
・・・・・・・・・・・会話が弾まない
「緑葉君?」
「ん?どうした?」
「やっぱり、迷惑だったかな?」
樹は、麻弓がぬれないように、肩を濡らしてまで傘を寄せていた。
フェミニストな彼らしいといえば、彼らしいが
「迷惑じゃないぞ。なんだ。らしくも無いな。」
「そう。」
・・・・・・・・・・・
沈黙。それは永遠に続くと思われた。
二人が親友たちを目撃するまでは
「あ、あれ。」
樹は前にいる相合傘の二人を見て、言った。
「ん?何よ」
楓と稟だった。
「あ、おー・・・・・・・」
沈黙を破ろうと、二人に声をかける麻弓を
「しー」
樹がさえぎった。
「え?どうして?・・いつもの緑場君なら、邪魔に入りそうなもんだけどね」
ちょっと皮肉ってみる。
こういう自分はちょっと、いやだな。
「いいんだよ。今は・・・・・・・おまえもいることだしな。」

いつも冷静な樹は、いま、この瞬間も冷静だけど、麻弓には優しく見えた。
「なんか、カップルみたいだね」
「あの二人は伴侶って言葉のほうが似合いそうだがな」
「私たちは・・・どう見えるのかな?」


シャー 「ふー、やっぱりお風呂はいいわね。」
冷えた体を温めるため、風呂に入った。いくら樹が気を使っててもやはり、一人用の傘。
麻弓もまったくぬれなかったわけではなかった。
ふと、胸元に目がいく。
触ってみた。
「ん、・・やっぱり、小さいのかな?」
ふと、ネリネの顔が浮かぶ。
「やっぱり、ネリネ様みたいなのが・・・・男の人って好きなのかな?」
・・・
・・・・・・・
夕食後、部屋でくつろいでいると
ピロピロピロピロ
ケータイがなった。
「あら?だれだろう」
彼の名が、そこにはあった。
「緑葉君!?」
すこし、顔が紅潮した。
誰にもわからないだろう、本当の気持ちがそこに表れていた。


ピッ

FROM:緑葉樹
件名:無題
本文
=============
よう。ちゃんと風
呂入ったか?

まったく、傘を忘
れるとはな。昨日
さんざん僕を辱め
てくれたおまえが
な。
まぁ、いい。

カップルに見えな
いことのないんじ
ゃないか?
=====END=====
昼から降り続いたあめは、もうあがっていた。ふと、テレビに目をやると、明日の天気予報。明日からは梅雨も中休みらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・
「馬鹿。そういうことは、ちゃんと、あたしを見ながら言いなさいよ。」

エピローグ
キーンコーンカーンコーン
四時間目が終り、教室は開放感に包まれた。昼休みだ。
「楓ー、みんなーお昼行こう。」
麻弓はみんなに声をかけると、みなでいつもの様に屋上に向かった。約一名の例外を除いて。
「ちょっと待て。まぁ、まてよ麻弓さん。」
後ろから、肩をつかまれる。振り返るとそこには緑葉がいた。
「あら?緑場君。どうしたの?」
「どうして俺を誘わないんだ。」
(なんとなく、気恥ずかしかったから)・・・
そんなことを言うほうが麻弓にはよっぽど気恥ずかしかった。
「忘れてたわ。」
「くをぉら」
「さてと、いつもの行事も住んだことだし、行きましょう。」
「まて、まだ話は・・・・」
「ほら、緑場君も行くわよ。」
「・・・・・・・ああぁ。今日も姫様の笑顔を見に行かなくては。」
「ねぇ、それってあたしのこと?」
いつになくはにかんだ顔で質問する
「決まっているだろう」
「お前以外の女性たちだ」

コロス。あんた絶対コロス。

「痛いイタイイタイ。やめ、締めるな、締めるな」
「ほらー覚悟しろ」
・・・・・・・
「げふっげふっ」
緑葉は苦しそうに酸素を貪っている。
「アハハー。ごめんごめん。でも、あたしは・・・」
何か言いたそうな麻弓をよそに、緑葉は含み笑いを浮かべながら言った。
「ふん、僕の顔に傷がついたらどうするんだ。ナンパ師としての人生は台無しだ」
「・・・・・あ、あんたって奴はー」
「まぁ、いいや。どの道お前には責任を取ってもらうぞ」
「は?それって」
樹は、最高の笑顔を見せた。
「ほら、いいから手を貸せよ。立ち上がれない」
おそらく、麻弓が知る限りの今までどの女性にも見せたことのない。
「何よ。それ。」
それは、彼なりの愛情表現だった。
「ほら。」
麻弓は手を差し伸べた。
ふに
「へ?」
その手は麻弓の手には行かずその奥の、小さいけれども彼女が確かに女であることを主張する、その部分に触れていた
「・・・・・な?な?」
ふにふに
「ふむ、僕の好みには合わないが、まぁいい。責任を取って大きくなってもらうとしよう。喜べ。麻弓。」
・・・・プルプル
「どうした?胸の大きくなる体操か?」
「緑葉の・・・・樹のバカー」

もうすぐ夏が来る。そう。まだ焦ることはない。まだ、始まったばかりなのだから。
END




第2弾「麻弓=たいむ」です。
まゆまゆ(この言い方。俺は大好き)の愛情をまたーり、ゆたーり書こうと思って書いたものです。あんまゆたーりまたーりしてないすね。
そして、作詞にも挑戦してみる。初書きの詩です。・・・しょぼいな、これ。いちおう、曲になることを意識して描いてます。作曲できんけれどね。
自分に課したテーマは、「好き」と言う言葉を使わずに「好き」と言う気持ちをあらわすことです。
言葉にしてしまうのは簡単ですが、本当の気持ちはいつも言葉には表れません。そう考えてます。
にしても、シアもネリネも楓も、すごい。
自分があの立場にいたらたら・・・・死ぬ。苦しすぎ。皆さんそう思いませんか?
このみずかシリーズ(shuffle!)では、あとは、リシアンサスとプリたんがあんま活躍してないので、何か書きたいですね




管理人より♪(イラナイ?)
どうも、最近みずかさんには感謝しっぱなしの咲ですww
今回は麻弓がヒロインでしたね。正直、亜沙先輩と同等なぐらい麻弓は好きです(ぇ
しかし、ゲーム本編では絶対成立しないストーリーでしたね。
というか、樹が別人に見えましたね(良い意味で)
まぁ、ゲーム中の彼もスキと言えばスキなキャラクターなんですけど(苦笑)
PS2版では麻弓が攻略できるということで、咲は既にハラハラドキドキしていますが(ぇぇ
・・・麻弓の様なキャラの女の子が友達に欲しいかなぁ・・・・(ぉ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送